Advance Publication 1 症例報告 血栓回収療法により再開通し得なかった感染性心内膜炎による 脳梗塞の 1 剖検例 忽那 史也1） 山下 魁理1） 金本 正1） 黒濱 大和2） 立石 洋平1）* 辻野 彰1） 要旨：症例は右片麻痺，失語を主訴に搬送された 86 歳男性．拡散強調画像で左島皮質から前頭葉に高信号域が あり，MRA で左中大脳動脈が閉塞していた．血栓回収療法を行ったが再開通は得られなかった．血液培養検査で Enterococcus faecalis が検出され，大動脈弁に可動性の疣腫を認めたことから感染性心内膜炎と診断した．その後 多臓器不全で死亡し，病理解剖を施行した．脳塞栓部には細菌塊を伴う血栓があり，炎症細胞が血管壁内に浸潤 し，内弾性板は一部破綻していた．血栓と血管壁は癒着していた．感染性心内膜炎による脳塞栓症では，血栓と 血管壁の癒着が血栓回収療法による再開通を得られにくくする要因の一つかもしれない． （臨床神経 2021;00:000-000） Key words：感染性心内膜炎，急性期脳梗塞，血栓回収療法，病理解剖 はじめに 20 mg/日，テネリグリプチン臭化水素酸塩錠 20 mg/日，シン バスタチン錠 5 mg/日，アジルサルタン錠 20 mg/日，アムロ 感染性心内膜炎では神経学的合併症の頻度が多く，特に虚 血性脳血管障害の割合が高い 1）2）．その中で，脳主幹動脈閉塞 ジピンベシル酸塩錠 5 mg/日． 現病歴：2020 年 2 月上旬，尿路感染症による敗血症と診断 を発症する割合は 25％程度と報告されている ．脳主幹動脈 され，前医へ入院しメロペネム 0.5 g 1 日 2 回が投与された． 閉塞による急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の有効性が示 起炎菌は Enterococcus faecalis であった．15 日後，18 時に意 され 4），感染性心内膜炎に生じた急性期脳梗塞に対する血栓 識障害，軽度の右上下肢麻痺が出現した．発熱に伴う症状と 回収療法の報告も散見されるようになった 3） ．しかし，そ 判断されたが，21 時頃より右上下肢麻痺の悪化，失語が出現 の有効性についての定まった評価はない．今回我々は，感染 したため，脳血管障害が疑われた．頭部 CT で出血性病変は 性心内膜炎に合併した急性期脳梗塞に対して血栓回収療法を なく，虚血性脳血管障害が疑われたため，翌日 0 時 24 分に 施行し，再開通し得なかった症例を経験した．病理解剖で観 当院へ搬送された． 5）～14） 察された血栓と血管壁の癒着が，再開通に至らなかった原因 入 院 時 所 見 ： 身 長 163.0 cm ， 体 重 53.6 kg ． 血 圧 114/46 の一つである可能性が考えられた．感染性心内膜炎における mmHg，脈拍 85 回/分，体温 36.7°C，呼吸数 18 回/分，SpO2 脳塞栓症の病態や治療方針を検討する上で重要な所見である 96％（室内気）．意識は GCS E3V1M5，左眼球共同偏倚と右 と考え報告する． 口角下垂，右片麻痺（徒手筋力テストで上下肢共に 1/5）が あり，NIHSS スコアは 22 であった． 症 例 検査所見：血液検査では，WBC 19,800/μl，CRP 9.62 mg/dl と上昇し，BNP 1,840 pg/ml や D-dimer 3.9 μg/ml も上昇して 症例：86 歳，男性 いた．頭部 MRI 拡散強調画像では左前頭葉から島皮質にかけ 主訴：意識障害，右片麻痺，失語 て高信号が出現し，DWI-ASPECTS は 6 であった．Fluid- 既往歴：高血圧症，2 型糖尿病，脂質異常症，陳旧性心筋 attenuated inversion recovery で一部のみが淡く高信号となっ 梗塞（経皮的冠動脈形成術後）． 内服歴：アスピリン腸溶錠 100 mg/日，グリクラジド錠 ており（Fig. 1A），MRA では左中大脳動脈は起始部で閉塞し ていた（Fig. 1B） ． *Corresponding author: 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学〔〒 852-8501 長崎県長崎市坂本 1 丁目 7 番 1 号〕 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学 2) 長崎大学原爆後障害医療研究所腫瘍・診断病理学研究分野 （Received March 17, 2021; Accepted May 8, 2021; Published online in J-STAGE on September 25, 2021） doi: 10.5692/clinicalneurol.cn-001616 1) 2 臨床神経学 Advance Publication Fig. 1 Neuroradiological findings on admission. A) DWI reveals the high intensity legion in the left insular cortex, frontal lobe, and anterior temporal lobe. B) In the same region, fluidattenuated inversion recovery imaging does not reveal the high intensity. C) MRA demonstrates the left middle cerebral artery occlusion. D) Left internal carotid angiography shows the left middle cerebral artery occlusion prior to mechanical thrombectomy. E) The immediate flow restoration of the middle cerebral artery is achieved due to deploying the stent retriever (arrow). F) The middle cerebral artery is not recanalized at the end of the procedure (arrowhead). 治療経過：Enterococcus faecalis による敗血症であり，感染 が血栓は回収されず，再度 M1 閉塞になっていた．計 4 回同 性心内膜炎の可能性が否定できなかったため，アルテプラー 様 の 手 技 を 行 っ た が 再 開 通 は 得 ら れ ず ， Thrombolysis in ゼ静注療法は施行されなかった．発症前の modified Rankin cerebral infarction（TICI）grade 0 で終了した（Fig. 1E）．発症 Scale スコアは 1 であり，来院時の NIHSS スコアや DWI- から 445 分，来院から 61 分で鼠径穿刺がなされ，発症から ASPECTS から有効性が上回ると判断し，血栓回収療法が施 治療終了までは 524 分であった．当院入院時の血液培養検査 行された．ガイディングカテーテル 9F OPTIMO（東海メディ からも Enterococcus faecalis が検出された．また，第 1 病日に カルプロダクツ，春日井，愛知）を左内頸動脈に留置し，造 施行された経胸壁心エコーで，大動脈弁に可動性の疣腫があ 影した．左中大脳動脈水平部 M1 起始部の閉塞が確認された り，中等症から重症の大動脈弁閉鎖不全症を伴っていた．以 （Fig. 1C）．CHIKAI14（朝日インテック，瀬戸，愛知）とマイ 上より，感染性心内膜炎と診断され，ゲンタマイシン硫酸塩 クロカテーテルである Marksman（Medtronic, Minneapolis, 60 mg 1 日 1 回が開始された．第 3 病日からセフトリアキソ MN, USA ） を 用 い ， Penumbra 5MAX ACE60 （ Penumbra, ンナトリウム水和物 2 g 1 日 2 回に変更された．しかし，第 Alameda, CA, USA）を左内頸動脈遠位部まで誘導した．マイ 19 病日に多臓器不全で死亡し，家族の同意を得て病理解剖が クロカテーテルの先端は左中大脳動脈 M2 上行枝におき， 行われた． 血 栓 回 収 ス テ ン ト で あ る Solitaire 6 × 40 （ Medtronic, 病理所見：大動脈弁左冠尖，無冠尖の大動脈側に高度の弁 Minneapolis, MN, USA）を展開した（Fig. 1D）．ガイディング 破壊を伴う 30 mm の不整な疣腫の付着が観察された（Fig. カテーテルのバルーンを拡張し，DAC の持続吸引を行い，ス 2A）．疣腫は全体的に赤色調で，構造内部には小球菌が散見 テントを DAC 内に回収した．わずかな血栓が回収されたが， された（Fig. 2B）．左中大脳動脈は，フィブリン主体の血栓 中大脳動脈水平部の遠位部に狭窄が残った．M2 上行枝はわ で閉塞しており，血栓の一部には好中球やリンパ球といった ずかに描出されるようになった．マイクロカテーテル先端を 炎症細胞や小球菌塊を伴っていた．血栓と接している血管壁 M2 下行枝におき，1 回目と同じシステムで血栓回収を行った の一部で血管内皮の消失がみられ，血栓と血管壁が癒着して 感染性心内膜炎による脳梗塞と脳血栓回収療法による非再開通 3 Fig. 2 Histopathological findings of aortic valve. A) Vegetation on the non-coronary cusp and left coronary cusp of the aortic valve measuring about 30 mm in maximal diameter. B) The vegetation consists of inflammatory cells (arrow), bacteria (arrowhead), and fibrin (red arrow). (Hematoxylin and eosin stain, ×400, Bar = 50 μm). Fig. 3 Histopathological findings of the left middle cerebral artery. A) Internal elastic lamina is partially disrupted (arrow). (Elastica van Gieson stain, ×20, Bar = 1 mm). B) Neutrophils infiltrate into the vessel wall. (Hematoxylin and eosin stain, ×200, Bar = 100 μm). C) Neutrophils and bacteria are contained in the thrombus (arrowhead). (Hematoxylin and eosin stain, ×400, Bar = 50 μm). いた．また，閉塞部の血管壁には好中球主体の炎症細胞浸潤 感染性心内膜炎による脳梗塞症例の剖検報告は少な がみられ，エラスチカ・ワンギーソン染色で血管壁内弾性板 く 15）～17），さらに脳主幹動脈閉塞に対して血栓回収療法を試 の断裂が確認された（Fig. 3A～C）．左中大脳動脈閉塞部の血 みた症例の剖検報告については，これまで 1 例しかない 5）． 栓と同質の細菌塊が，大動脈弁に付着した血栓でみられたこ その症例では，左中大脳動脈分枝閉塞に対して血栓回収療法 とから，細菌性感染性心内膜炎による脳塞栓症であることが が試みられたが血管攣縮を生じ，翌日には再閉塞していた． 示された． 発症から 9 日後の病理解剖所見では，多数の好中球が血管壁 内に浸潤し，それが内弾性板にも及んでいた．一方，非細菌 考 察 性血栓性心内膜炎やその他の機序による脳塞栓症では，剖検 例において血管壁への好中球浸潤はみられていない 18）～20）． 本症例は，感染性心内膜炎による脳主幹動脈閉塞に対して 本症例は，脳梗塞発症後第 19 病日に病理解剖が施行された． 血栓回収療法を施行した症例の剖検報告である．病理解剖所 中大脳動脈の血管壁には好中球が強く浸潤し，内弾性板の断 見により，血栓回収療法で再開通が得られなかった原因の一 裂も観察された．血栓と血管壁との境界が不明瞭で，これら つとして，血栓と血管壁の癒着が影響していた可能性が考え が癒着している状態であった．本症例で，有効な再開通が得 られた． られなかったのは，フィブリン主体の血栓であったことが要 臨床神経学 4 Advance Publication 因として大きかったと考えられたが 21）22），血栓と血管壁の癒 行した剖検症例を報告した．感染性心内膜炎における脳主幹 着も関与していた可能性を考慮する必要があると考えられた． 動脈閉塞を早期に再開通させることは，虚血巣の拡大を抑え， 病理解剖は脳梗塞発症から時間が経って行われている．そ 出血を予防し，その結果として適切な時期での心臓外科手術 のため脳梗塞発症時に血栓と血管壁の癒着がどの程度起こっ 介入へつながる可能性があることから 25），血栓回収療法の施 ていたかを証明することは困難であった．過去の報告も同様 行は必ず考慮すべきである．しかしながら，有効な再開通が で，一般的に脳梗塞発症後ある程度の時間が経過して病理解 得られにくい症例が存在することに留意し，吸引型カテーテ 剖に至ることから，敗血症に伴う脳梗塞症例で閉塞部位にお ルを優先して使用することを前もって想定しておく必要があ ける血管壁の早期変化を証明することは非常に困難である． るかもしれない．また，血栓と血管壁が癒着する可能性を考 敗血症に伴う中大脳動脈領域の脳塞栓症発症から 2 日後にく 慮し，発症からより早期に血栓回収療法を施行することが再 も膜下出血を生じ，中大脳動脈分岐部閉塞と同部位の解離性 開通を得るために重要である．今回，病理解剖により敗血症 動脈瘤が CT angiography で証明された剖検例が報告されて に伴う脳塞栓症の病態を明らかにした．不幸な転帰をたどっ いる た症例では，患者の家族と相談し，病理解剖について適切な ．我々の症例と同様に好中球が内膜へ浸潤し，内弾性 17） 板の断裂もあった．さらに偽腔内に血球の侵入があり，解離 説明を行うことも臨床医の責務として留意しておく必要が 性動脈瘤が形成されていた．病理解剖は脳梗塞発症 4 日後に ある． 施行されていたが，CT angiography で解離性動脈瘤が証明さ れていたのは中大脳動脈閉塞 2 日後であるため，その時には ※著者全員に本論文に関連し，開示すべき COI 状態にある企業， 組織，団体はいずれも有りません． この病理学的変化が起こっていた可能性が高いと考えられた． 文 中大脳動脈閉塞によると思われる脳梗塞発症 1 日後や 2 日後 に，閉塞した中大脳動脈周囲に厚いくも膜下出血を発症した 報告もあり 23）24），敗血症に伴う塞栓症では，血栓から閉塞部 位の血管壁への炎症の波及が比較的急速に起こっているのか もしれない．本症例では発症から血栓回収療法までに約 7 時 間経過していた．血栓から血管壁への炎症細胞浸潤はその時 点ですでに始まっていたのかもしれない． 本症例は，4 回のステントによる血栓回収が行われたが， 良好な再開通は得られなかった．感染性心内膜炎における脳 主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法の効果について，症例報 告やケースシリーズ研究のレビューで検討されている 6）．TICI grade 2b または 3 の再開通であったのは 14 人（47％）と比較 献 1）García-Cabrera E, Fernández-Hidalgo N, Almirante B, et al. Neurological complications of infective endocarditis risk factors, outcome, and impact of cardiac surgery: a multicenter observational study. Circulation 2013;127:2272-2284. 2）Sotero FD, Rosário M, Fonseca AC, et al. Neurological complications of infective endocarditis. Curr Neurol Neurosci Rep 2019;19:1-8. 3）Ruttmann E, Willeit J, Ulmer H, et al. Neurological outcome of septic cardioembolic stroke after infective endocarditis. Stroke 2006;37:2094-2099. 4）Goyal M, Menon BK, Van Zwam WH, et al. Endovascular thrombectomy after large-vessel ischaemic stroke: a meta- 的多かったものの，13 人（43％）の再開通の状況が不明で， analysis of individual patient data from five randomised trials. その有効性を論じるには不十分であった．また，血栓回収療 Lancet 2016;387:1723-1731. 法を施行した敗血症に伴う脳塞栓症 4 例とそれ以外の脳梗塞 61 例を比較した単施設の検討では，ステント型血栓回収デバ イスによる再開通率や予後に差はなかったものの，敗血症に 伴う脳塞栓症のほうが回収の回数が多く（5.8 回 vs. 2.2 回， P < 0.001），治療時間が長かった（137.7 分 vs. 59.8 分，P < 0.001）．また，最終的にステントを留置した症例も多かった 7） （3 例（75％）vs. 1 例（1.6％），P = 0.008） ．ステント型血 栓回収デバイス以外にも，感染性心内膜炎における脳塞栓症 に対して吸引型カテーテルによる血栓吸引（a direct aspiration first pass technique，以下 ADAPT と略記）が良いとの報告も ある 8）．血栓と血管壁の癒着が再開通に難渋する原因と考え るならば，炎症や菌塊の血管壁への過度な圧着を避けるため， ステント型血栓回収デバイスを併用せずに吸引型カテーテル のみによる ADAPT を選択することを考慮する必要がある． また，閉塞部が感染に伴った炎症巣であることを考慮すると， 5）Nishino W, Tajima Y, Inoue T, et al. Severe Vasospasm of the middle cerebral artery after mechanical thrombectomy due to infective endocarditis: an autopsy case. J Stroke Cerebrovasc Dis 2017;26:e186-e188. 6）D’Anna L. Endovascular treatment of ischemic large-vessel stroke due to infective endocarditis: case series and review of the literature. Neurol Sci 2020;41:3517-3525. 7）Hernández-Fernández F, Rojas-Bartolomé L, García-García J, et al. Histopathological and bacteriological analysis of thrombus material extracted during mechanical thrombectomy in acute stroke patients. Cardiovasc Intervent Radiol 2017;40: 1851-1860. 8）Scharf EL, Chakraborty T, Rabinstein A, et al. Endovascular management of cerebral septic embolism: three recent cases and review of the literature. J Neurointerv Surg 2017;9: 463-465. 同部位へのステント留置術は再閉塞や動脈解離など合併症の 9）Ambrosioni J, Urra X, Hernández-Meneses M, et al. Mechanical Thrombectomy for acute ischemic stroke 懸念があるが，治療選択肢の一つとして考慮すべきかもしれ secondary to infective endocarditis. Clin Infect Dis 2018;66: ない． 感染性心内膜炎による脳塞栓症に対して血栓回収療法を施 1286-1289. 10）Marquardt RJ, Cho SM, Thatikunta P, et al. Acute ischemic 感染性心内膜炎による脳梗塞と脳血栓回収療法による非再開通 stroke therapy in infective endocarditis: case series and systematic review. J Stroke Cerebrovasc Dis 2019;28: 5 Neurol Med Chir (Tokyo) 2014;54:196-200. 18）安田 2207-2212. 謙，綾木 孝，川端康弘ら．非細菌性血栓性心内膜炎 が原因の脳塞栓症に対し，血栓回収療法を試みた 1 剖検例． 11）Sveinsson O, Herrman L, Holmin S. Intra-arterial mechanical thrombectomy: an effective treatment for ischemic stroke caused by endocarditis. Case Rep Neurol 2016;8:229-233. 12）加藤寛之，今井 臨床神経 2019;59:195-199. 19）Yin NS, Benavides S, Starkman S, et al. Autopsy findings after intracranial thrombectomy for acute ischemic stroke: a clinicopathologic study of 5 patients. Stroke 2010;41:938-947. 資，廣瀬俊明ら．機械的血栓回収療法に よって回収した塞栓子の病理学的および細菌学的診断により 感染性心内膜炎に起因する急性期脳梗塞と診断した 1 例．脳 20）Koge J, Kato S, Hashimoto T, et al. Vessel wall injury after stent retriever thrombectomy for internal carotid artery occlusion with duplicated middle cerebral artery. World 卒中 2021;43:31-36. 13）結城貴和，下里 倫，飯島 Neurosurg 2019;123:54-58. 明．血栓回収により得られた血 栓の病理所見が診断に有用であった感染性心内膜炎および非 細菌性血栓性心内膜炎による心原性脳塞栓症の 2 例．臨床神 経 2020;60:846-851. 14）Nakanishi K, Kawano H, Amano T, et al. Stroke due to infective endocarditis diagnosed by the retrieved thrombus: a case report. Clin Neurol 2018;58:35-40. 21）Shin JW, Jeong HS, Kwon H-J, et al. High red blood cell composition in clots is associated with successful recanalization during intra-arterial thrombectomy. PLoS One 2018;13: e0197492. 22）Yeo L, Bhogal P, Gopinathan A, et al. Why does mechanical thrombectomy in large vessel occlusion sometimes fail? Clin 15）Mizuno T, Kiyosawa J, Fukuda A, et al. Infective endocarditis following tumor necrosis factor-α antagonist therapy for 23）若本寛起，冨田栄幸，宮崎宏道ら．虚血症状にて発症し，想 management of psoriatic erythroderma: a case report. J Med 起に出血と細菌性動脈瘤の新生を認めた septic embolism の Case Rep 2017;11:1-4. 16）Birsic GW, Fulcher JW, Fiester SE. Embolization of endocardial vegetation with stroke presentation. 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Abstract Nonrecanalization after mechanical thrombectomy in acute ischemic stroke due to infective endocarditis: an autopsy case Fumiya Kutsuna, M.D.1）, Kairi Yamashita, M.D.1）, Tadashi Kanamoto, M.D.1）, Hirokazu Kurohama, M.D., Ph.D.2）, Yohei Tateishi, M.D., Ph.D.1）and Akira Tsujino, M.D., Ph.D.1） 1) Department of Neurology and Strokology, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences 2) Department of Tumor and Diagnostic Pathology, Atomic Bomb Disease Institute, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences An 86-year-old man was admitted for the abrupt onset of right hemiparesis and aphasia. DWI revealed the high intensity legion in the left insular cortex, and MRA demonstrated the left middle cerebral artery occlusion. Recanalization of the artery was not achieved after mechanical thrombectomy. The diagnosis of infective endocarditis was made as Enterococcus faecalis was cultured from the blood, and mobile vegetation was detected at the aortic valve by transthoracic echocardiography. The patient died from multiple organ failure at 19 days. Autopsy findings revealed fibrin-rich thrombus in the left middle cerebral artery containing neutrophils and bacteria. At the occluded site, neutrophils had intensively infiltrated into the vessel wall, and endothelial cells had partially disappeared. Moreover, disrupted internal elastic lamina was discovered. These findings could indicate that the thrombus had adhered to the vessel wall. The adhesion of the thrombus and vessel wall could be associated with unsuccessful recanalization after endovascular thrombectomy in patients with ischemic stroke due to infective endocarditis. (Rinsho Shinkeigaku (Clin Neurol) 2021;00:000-000) Key words: infective endocarditis, acute ischemic stroke, mechanical thrombectomy, autopsy