日医 大 誌1998第65巻 (213)19 第3号 原 著 皮質 下梗 塞 に伴 う失語症 にお ける局 所脳血流 につ いての検 討 小林 克史 北村 伸 赫 彰郎 日本医科大学内科学第2教室 Assessment of regional cerebral infarction Katsushi Kobayashi, The Second Department with blood flow in subcortical aphasia Shin Kitamura and Akiro Terashi of Internal Medicine, Nippon Medical School Abstract We assessed the regional cerebral blood flow (rCBF) in 8 patients with subcortical aphasia and 8 patients with subcortical infarction without aphasia using the N-isopropyl-P[123I]-iodoamphetamine autoradiography (123I-IMPARG) method. In this study, we evaluated vermis to left cortex ratio of CBF. In cases of Broca's aphasia (N=2), CBF was lower in the posterior frontal regions including Broca's area, and more hypoperfused in the posterior frontal and in the posterior temporal regions, including Wernicke's area of total aphasia (N= 2). But, it was not significantly hypoperfused in those regions in the cases of Wernicke's (N= 2) and amnestic aphasia (N=2). In the subcortical aphasia, global CBF in the left cerebarl cortex was lower than taht in the right cerebral cortex. However, in the subcortical infarction group without aphasia there was no difference between CBF in the left cerebral cortex and the right cerebral cortex. We conclude that hypoperfusion in the left cerebral cortex was greater than that in the right cerebral cortex and it was probably due to dysfunction of the left cerebral cortex when subcortical infarction occursed with aphasia. Though some types of aphasia were not relative to the dysfunction of the left cerebral cortex. (J Nippon Med Sch 1998 ; 65: 213-219) Key words : subcortical aphasia, CBF, Broca's aphasia, Wernicke's aphasia, total aphasia 緒 研究対象 お よび方法 言 近 年 の 画 像 診 断 の 進 歩,特 に 脳SPECTの 急 速 な普 対 象 は平 成6年1月 か ら平 成7年4月 及 に伴 い さ まざ ま な神 経 疾 患 に つ い て の脳 循 環 代 謝 の 本 医 科 大 学 第2内 評 価 が 可 能 に な っ て き た.脳 梗 塞 を認 め な い皮 質 下 梗 塞 患 者8例(男 相 関 し て い る こ と か ら,高 循 環 代 謝 量 は神 経 機 能 と 次 脳 機 能 障 害 の責 任 病 巣 を 検 討 す る こ と に 利 用 で き る.そ こで わ れ わ れ は皮 質 下 2例,平 科 を受 診 した 失 語 症 状 を呈 し皮 質 に 均 年 齢66.8歳,年 利 き,8例 までの問 に日 中7例 性6例,女 齢 範 囲55〜76歳,全 は病 巣 部 位 が 左 側 の み)お 性 例右 よ び同 時 失 語 症 の 出 現 メ カ ニ ズ ム を明 らか に す る こ とを 目的 と 期 に 当科 を受 診 した失 語症 状 を呈 さな い皮 質 下 梗 塞 患 し て,こ 者8例(男 れ ら の 患 者 に 対 しN‑isopropil‑p‑[123I] iodoamhetamine autoradiography(IMP‑ARG)法 を 性3例,女 範 囲55〜83歳,全 性5例,平 均 年 齢71.3歳,年 例 右 利 き,病 巣 部 位 は全 例 左 側)で あ る.失 語 症 状 を呈 した 群 と呈 さ な い 群 の2群 用 い て 脳 血 流 分 布 の 面 よ り検 討 し た. て 年 齢,性 齢 に有 意 差 を認 め な か っ た.今 につ い 回 の検 討 を行 う に あ た りす べ て の 患 者 本 人 お よび 家 族 に対 し,脳 血 Correspondence Department School, Japan 1-1-5 to Katsushi of Kobayashi, The Second Internal Medicine, Nippon Medical Sendagi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8603, 流 測 定 を行 う主 旨 を説 明 し承 諾 を得 た.失 語 症 の 判 定 は神 経 心 理 学 的所 見 と標 準 失 語 症検 査 の結 果 か ら行 っ た.頭 部CTま た はMRIに て 大 脳 皮 質 領 域 に梗 塞 巣 20(214) を認 め る も の は 除外 し た.な をTable1に 示 す. 方 法 はSPECT い 残 りの14例 SPECT装 SET 0.05を 有 意 と した. お,各 対 象 の 臨 床 的 背 景 studyは,2例 の み15〜16病 結 日 に行 皮 質 で脳 血 流 の 低 下 が 認 め られ たBroca 置 は 頭 部 専 用 リ ン グ 型HEADTOME 080(島 津 製 作 所 製)を 用 い た.局 (regional cerebral blood flow: 所脳血流量 Wernicke 定量 測定 は 脳 血 流 の 低 下 を 認 め な か っ たamnestic rCBF)の IMPを 用 い,Iidaら ARG法 に し た が い 以 下 の よ う に施 行 し た.IMP約 222MBqを に よ っ て 開 発 さ れ たIMP‑ 右 肘 静 脈 よ り持 続 注 入 器 で1分 入 し,採 血 はIMP静 注 開 始10分 1回 動 脈 採 血 した.SPECTの 態 に て静 注 開 始 後25分 刻40分)で 間持続 注 症 例1:66歳 間1回(中 心撮 影時 の 円形 関 心 領 域(RODを 以 上 よ りBroca失 メ ー ジ上 に 直 径13mm 頭,後 唱 は単語 レベ ル は 良好 で あ っ た.ま た,文 レベ ル で の4語 文 まで は可 能 で あ り, に ダ イ ナ ミ ック 前 頭,頭 頂,側 aphasiaの1 正 答 で あ っ た.時 折 保 続,字 性 錯 語, 語 性 錯 語 が 認 め られ た.復 施 行 し,グ ラ フ プ ロ ッ ト法 に て 算 出 され た られ たCBFイ と皮 質 で 男 性,右 不 全 麻 痺 と失 語 症 を呈 した脳 り呼 称 課 題6/20が 行 っ た.標 準 入 力 関 数 お よび 分 布 容 積(Vd) 値 を用 い た.得 し てtotal aphasiaの3例 梗 塞 患 者.32病 日の言 語 症状 は 自発 語 は非 流 暢,単 語 〜 短 文 レベ ル の 聴 覚 理 解 は 良 好 ,喚 語 困難 は著 明 で あ 撮 影 は安 静 臥 床,閉 眼 状 か ら30分 type,そ type, 例 を呈 示 す る. 後 に左 橈 骨 動 脈 よ り 値 は あ らか じ め正 常 ボ ラ ンテ ィ ア6例 SPECTを 果 は1カ 月 以 上 経 過 した慢 性 期 に行 っ た. 語 と診 断 した.MRIで は左 側 脳 室 外 側 周 囲 白質 お よ び左 半 卵 円 中 心 に梗 塞 巣 を認 め た. 頭葉 の 34病 日 のCBFイ メー ジ で は左 側 脳 室 外 側 と半 卵 円 中 各 皮 質 領 域 と小 脳 虫 部 に設 定 した.関 心 領 域 の 設 定 は 心 の脳 血 流 の低 下 に加 え左 前 頭 葉 か ら頭 頂 葉 に か け て デ ー タ解 析 に熟 練 した1人 CBF値16ml(/100g/min)程 解 析 はT検 の 医 師 が 行 っ た.統 計 学 的 定 を 用 い て 行 っ た.p<0.01お Table CT: cerebral : thalamus, GP: thrombosis, globus CE: cerebral よ びp< 1 Details embolism, pallidus, IC: internal capsule, 度の脳血 流低下が み ら れ た(Fig.1). of clinical PVW: CN: character periventriculer caudate white nucleus , N.A: matter , Pu: non aphasia. putamen, Th (215)21 Fig. 1 MRI and CBF Broca's imaging It was noted that frontal leg of centrum semiovale to hypoperfusion ing of the patient with Fig. 2 aphasia Broca's MRI and CBF Wernicke's cerebral internal infarction capsule by MRI. It was left of the noted that cerebral putamen and pointed matter contacted lobe includ- Arrow pointed to temporal lobe including CBF imaging Arrow in left frontal of left and imaging area. patient with aphasia left infarction of left periventriculer with white posterior horn. hypoperfusion in Wernicke's left apha- sia. 症 例2:76歳 女 性,右 不 全 麻 痺 と失 語 症 を呈 した脳 梗 塞 患 者.30病 日の 言 語 症 状 は聴 覚 理 解 は 日常 レベ ル (簡 単 な短 文 レベ ル は 良 好)ま で は保 たれ て お り,自 発 語 は流 暢,喚 語 可 能 な語 は ほ とん ど字 性 錯 語 とな る. 復 唱 で は単 語 は 短 い音 節 語 は比 較 的 良 好 で あ る が 多 音 節 語 は 不 確 実,短 文 レ ベ ル も字 性 錯 語 が 出 現 し困 難 で あ っ た.以.ヒ よ りWernicke失 語 と診 断 した.MRIで は両 側 大 脳 基 底 核 部 お よび 左 側 脳 室 後 角 近 傍 白 質 に梗 塞 巣 を 認 め た.45病 日で のCBFイ 底 核 部 の 脳 血 流 低 下 に加 え,右 メ ー ジ で は左 側 基 に比 べ左 側 頭 葉 か ら後 頭 葉 皮 質 付 近 に か け てCBF値40ml程 度 の脳血 流低 下 を認 め た(Fig.2). 症 例3:68歳 男 性,右 完 全 片 麻 痺 と失 語 症 を 呈 した 脳 硬 塞 患 者.91病 日で の 言 語 症 状 は 自発 語 は 単 音 の 繰 り返 し の み で あ り有 意 味 語 は 認 め られ な か った.簡 単 Fig. 3 CT and total aphasia It was noted that putamen and な 指 示 に した が う こ と も困 難 で あ り,自 発 書 字 も困 難, matter contacted 指 示 理 解 の 低 下 が 認 め ら れ 全 失 語 と診 断 さ れ た.CT was .上は左 尾状 核,淡 蒼 球 お よび 左 側 脳 室 体 部 周 囲 白質 に 低 吸 収 域 を認 め た.91病 日 で のCBFイ showned of the cerebral left patient infarction of left periventriculer with body. hypoperfusion CBF of with white imaging left hemi- sphere. メージで は左 側 基 底 核 部 と半 卵 円 中 心 の 脳 血 流低 下 に加 え,左 大 脳 塞 患 者 で あ る.34病 半 球 全 体 にCBF値20ml前 主 症 状 で あ り 自発 書 字 と音 読 に や や 障 害 を認 めた が, 後 の 著 明 な脳 血 流 低 下 を 認 め た(Fig.3). 症 例4:75歳 男 性,左 片 麻 痺 と失 語 症 を呈 した脳 梗 日の 言 語 症 状 は 自発 語 は 語 健 忘 が そ の 他 復 唱,言 葉 の理 解 に問 題 は な く健 忘 失 語 と考 え られ た.MRIで は両 側 被 殻 お よ び 両 側 側 脳 室 体 部 付 近 白質 に 梗 塞 巣 を認 め た.33病 日 で のCBFイ メ ー ジで 22(216) た(Fig.4). 失 語 を 呈 し た8症 質 領 域(posterior 例 に お け るBroca領 frontal regions)お 領 域 を 含 む 皮 質 領 域(posterior 示 し た. Fig.5に は い ず れ もposterior rior た.全 frontal よ びWernicke temporal お け る 小 脳 虫 部 をreferenceと Fig.5に 域 を含 む 皮 regions)に し たCBF相 お い てBroca失 temporal 語 の2例 regionsよ regionsでCBFの 失 語 に お い て は2つ の 領 域 で のCBFの れ な か っ た.健 の 領 域 と も にCBFの 4 MRI and CBF amnestic It of the patient with 語 にお い て 相 対 値 に大 きな 差 は認 め ら 質 の 値 をFig.6‑1お に 失 語 症 群 と非 失 語 症 群 の 各 大 脳 皮 よ び2に 示 し た.左 大 脳 皮 質 で は aphasia was noted bilateral white imaging 相 対 忘 失 語 で は両 領 域 と もに相 対 値 の 低 下 は 少 な か っ た.次 Fig. りposte‑ 相 対 値 が低 下 して い 値 は 顕 著 に 低 下 し て い た が,Wernicke失 は2つ 対 値 を that cerebral infarction putamens and periventriculer で 脳 血 流 の 有 意 な 低 下 を 認 め た.ま was 葉 に お い て も非 失 語 症 群 に 比 べ 失 語 症 群 に て 脳 血 流 の matter. CBF imaging ned hypoperfusion of regional of 非 失 語 症 群 に比 べ 失 語 症 群 に て 頭 頂 葉 な らび に側 頭 葉 not show- regions. た,前 頭 葉,後 平 均 値 は 低 下 し て い た が 有 意 で は な か っ た.そ 頭 れ に対 し右 大 脳 半 球 で の 各 部 位 に お い て 非 失 語 症 群 に比 べ 失 語 症 群 で 脳 血 流 の 平 均 値 は 低 い 値 で あ っ た が,有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た. 各 皮 質 のCBFの 左 右 比 は 前 頭 葉,頭 左 右 比 をFig.7に 頂 葉,そ 示 し た.CBFの し て側 頭 葉 にお い て 非 失 語 症 群 に 比 べ 失 語 症 群 で 低 下 し て お り,失 言 語 野 の あ る 左 側 皮 質 で のCBFが 語症群 で は よ り低 下 し て い た. 考 察 以 前 よ り左 大 脳 半 球 の 皮 質 下 梗 塞 で 失 語 を生 じ る こ とが 注 目 され て きた.し か し,画 像 診 断 上 大 脳 皮 質 言 語 野 に病 巣 が な く皮 質 下 病 巣 を有 す る失 語 症 例 の 症 状 発 現 機 序 を どの よ う に説 明 す る か に つ い て は,皮 質 下 病 巣 そ の もの を 重 視 す る 立場(神 経 線 維 離 断 説)と, 大 脳 皮 質 の 循 環 障 害 を強 調 す る立 場(脳 循 環 低 下 説) が あ る. Fig. 5 Relative tal and CBF values in the posterior fron- CTお temporal regions It was low value in the posterior frontal regions to Broca's aphasia. To total aphaBut it sia, it was low value in both regions. was deferrence value to Wernicke's aphasia in not aphasia and amnestic 現 在,高 both 次 脳 機 能 障 害 を検 討 す る 画 像 診 断 と し て よびMRIに よ る形 態 学 的 検 討 とSPECT, に よ る機 能 的 検 討 が あ る.こ れ まで のMRIに 態 学 的 な 検 討 で はDomasioら(1992)は よ る形 左 半球尾状核 頭 部 と内 包 前 脚 を通 る 白 質 線 維 の健 常 状 態 が 言 語 機 能 に必 須 で あ る と述 べ て い る.Naeserら(1990)7はCT に よ る検 討 に てBroca野 regions. PET 深 部 の傍 側脳 室 白 質,側 頭 峡 部 の他 に梁 下 束,側 脳 室 体 部 の病 巣 が 失 語症 状 の 出 現 は 全 般 的 な 中 等 度(CBF値28〜33程 度)の 脳 血 流 低 下 を認 めた が,左 右 差 や 局 所 的 な 低 下 は 明 確 で は な か っ に 重 要 で あ る と指 摘 し て い る.ま た,Tuszynskiら (1988)8は 視 床 梗 塞 の 剖 検 例 の 検 討 よ り視 床 の 言 語 機 (217)23 Left Cerebral Fig. 6-1 Comparison with CBF was S.D.: standard CBF significantly of aphasia 6-2 Comparison There cerebral group hypoperfusion and aphasia group in left temporal lobe and in left cerebral cortex left parietal libe. deviation Right Fig. Cortex with Cerebral aphasia was no defference group Cortex and non CBF between aphasia aphasia S.D.: standard deviation group in right cerebral group and non aphasia cortex. group in right cortex S.D: standard deviation 能 へ の 関 与 を報 告 し て い る.Gorelickら(1984)8は 視 左 側 皮 質 の 関 与 が考 え られ る. 床 梗 塞 に よ る 失 語 症 の 原 因 の ひ とつ と し て 視 床VA これ まで の脳 循 環 代 謝 面 か らの研 究 で は,こ の 検 討 核 を 中 心 とす る 皮 質 系 へ の 投 射 経 路 の 障 害 とWer‑ 結 果 と同様 に皮 質 の血 流 低 下 が 皮 質 下 失 語 の症 状 発 現 nicke領 域 との線 維 連 絡 障 害 を指 摘 し て い る.こ れ ら に 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ て い る.Olsenら の 形 態 学 的 な 検 討 か らは皮 質 下 の病 巣 が 失 語 症 状 の 発 (1986)loはSPECTを 現 に重 要 で あ る こ とが 示 され て い る.今 回 のわ れ わ れ 因 は 皮 質 低 灌 流 に よ る も の と述 べ て い る.北 の脳 血 流 面 か らの 検 討 で は,失 語 症 を有 す る群 で は 非 (1987)'1は 大 脳 基 底 核 部 病 巣 に よ る 失 語 症 患 者 に お け 失 語 症 群 よ りも左 側 大 脳 皮 質 のCBFの るPETで れ た.CTやMRIで 低下 が認 め ら は失 語 症 の責 任 病 巣 は皮 質 下 に求 用 いた検討 にて皮質下 失語 の原 の 脳 循 環 代 謝 の 研 究 に てBrocatypeの 語 症 で は 前 頭 葉 後 部,Wernicketypeの 村 ら 失 失 語 症 で は側 め られ る が,皮 質 に血 流 低 下 の み られ た こ とは皮 質 の 頭 葉,全 機 能 低 下 を示 唆 す る所 見 で あ り,皮 質 下 失 語 の発 現 に 循 環 代 謝 は特 に低 下 して い る こ と を示 し,失 語 症 の 発 失 語 で は前 頭 葉 後 部 か ら側 頭 葉 に か けて の 脳 24(218) Fig. 7 Right to left ratio It was more hypoperfusion of CBF case of aphasia in cerebral in the cortex left cerebral cortex than the right cerebral cortex in group. 現 に 皮 質 の 関 与 の あ る こ と を 示 唆 し て い る.ま た, 病 巣 に よ る失 語 症 状 の発 現 に皮 質 が 関 与 し て い る とす Okudaら(1994)12はSPECTを 用 い た 研 究 に て4人 る と,梗 塞 に は陥 らな い が 症 状 を発 現 す る程 度 の脳 血 の皮 質 下 発 作(出 塞 症 例2名)後 流 の低 下 が 皮 質 に あ る こ と とな る.臨 床 症 状 を呈 す る 血 症 例2名,梗 の全 失 語 は傍 シル ビ ウス 言 語 領 域 の皮 質 低 潅 流 が 関与 し て がCTお い る と報 告 し て い る.こ の よ うに脳 循 環 代 謝 面 か ら の た 範 囲 の 血 流 と代 謝 の低 下 を皮 質 に きた し て い る時 に よ びMRI上 に梗 塞 巣 を呈 さ な い ご く限 られ 検 討 で は,皮 質 下 失 語 の発 現 に皮 質 の 関 与 を推 定 し て 失 語 症 状 が 認 め られ る こ と と な り,皮 質下 にCTお い る もの が 多 い. びMRIで よ の構 造 上 の 変 化 を呈 す る脳 血 管 障害 が す べ れ わ れ の 検 討 で は左 大 脳 皮 質 に お い て 非 失 て この レベ ル の 脳 循 環 代 謝 の 変 化 を皮 質 に もた らす と 語 症 群 に比 べ失 語 症 群 で頭 頂 葉 お よ び側 頭 葉 で の 有 意 は考 え難 い。 この こ とが 皮 質 下 失 語 を稀 な もの に して の脳 血 流 の 低 下 が 認 め られ,皮 質 の 機 能 低 下 と失 語 症 い る ひ と つ の理 由 と考 え られ る.最 後 に今 回 の 検 討 結 状 の発 現 の 関 与 が 考 え られ た が,失 果 で 考 え て お くべ き問 題 点 と し て14症 今 回,わ 語症 のタイプ によ り 異 な っ て い る こ と も示 さ れ た.Broca失 Broca野 を含 むposterior 語では frontal regionsでCBFの 例 は発症 よ り 1カ 月以 上 経 過 した 慢 性 期 に脳 血 流 測 定 を行 っ て い る が,2症 例 に つ い て は脳 梗 塞 発 症 後15病 日 と16病 日 低 下 が 顕 著 で あ り,全 失 語 で はposteriorfrontal の亜 急 性 期 に脳 血 流 測 定 して い る こ とが あ る.北 村 ら regionsお (1985)'5の 報 告 に よ り脳 梗 塞 急 性 期 で は脳 血 流 量 は病 よ びPosterior temporal regionsで のCBF が 著 明 に低 下 して お り,従 来 よ り指 摘 さ れ て い る言 語 巣 部 位 だ けで な く,広 範 に低 下 し て い る こ とが 示 され 中枢 と失 語 症 の タ イ プ の 一 致 が 認 め られ る.し た が っ て い る.し た が って 亜 急 性 期 にSPECTを て 皮 質 下 病 巣 に よ るBroca失 つ の症 例(Broca2お 語 と全 失 語 で は 皮 質 の よ びamnestic1)に 施 行 した2 つ い て は,脳 機 能 低 下 が 症 状 発 現 に 関係 して い る と考 え られ る.一 血 流 が 皮 質 で よ り低 下 し て い た 可 能 性 が あ る. 方,こ Broca2で こで 対 象 と したWernicke失 で は各 領 域 で のCBFの 語 お よ び健 忘 失 語 低 下 は 軽 度 で あ り,皮 質 の 関 は に お け る顕 著 な 左 側 大 脳 皮 質 でCBF低 下 は,急 性 期 の影 響 の あ る こ と を考 え て お か な くて は 与 が 少 な い と考 え られ る.し た が っ て皮 質 下 失語 の 発 い け な い.し か し,amnestic1で はCBF低 現 メ カ ニ ズ ム と し て は皮 質 下 病 巣 そ の もの が重 要 で あ 測 定 時 期 に よ る 問 題 は な か っ た と考 え る. 下 は な く, る場 合 と,皮 質 の 機 能 低 下 が 加 わ っ た 時 に失 語 症 状 が 出 現 す る場 合 の 両 者 が あ る と考 え る.こ れ ま で の 研 究 結 論 で 脳 組 織 が 梗 塞 と な る 脳 血 流 の 閾 値 と症 状 を 発 現 す る閾 値 に は差 の あ る こ とが 示 され て い る.皮 質 下 皮 質 下 梗 塞 で 失 語 症 状 を呈 す る例 で は右 側 と比 較 し (219)25 て左 側 優 位 半 球 大 脳 皮 質 の血 流低 下 が 認 め られ,皮 質 下 失 語 の 発 現 に左 側 大 脳 皮 質 の 関 与 が 示 唆 され た.失 語 症 の タ イ プ で はBroca失 核 医学 6. 7. 流 低 下 が認 め られ,失 られ たが,Wernicke 語 症 状 発 現 に皮 質 の 関与 が 考 え typeとAmnestic aphasiaで 1992; Naeser D は Late lesion. 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